フリーランスITエンジニアの契約形態とエージェント

フリーランス

エージェントに登録して参画する案件が決まった場合、エージェントとその案件の発注者(取引先)と契約を結ぶことになります。

フリーランスとして契約する以上当然求められる成果物と納期が契約事項にあってもしそれが未達成なら契約不履行となり賠償請求されてしまうんでしょうか?

またフリーランスが実際に契約を結ぶのはエージェントとなんでしょうか、案件の発注者でしょうか?

完成できなかったら賠償請求される?

フリーランスになったら会社員と違ってすべて自己責任。

フリーランスとして現場に入ったからには契約して求められる成果物(設計書やプログラム、あるいはシステムそのもの)を納期までに納めなければ契約違反となると思いませんか?
発注者からすればこっちはあなたがプロだと思って頼んでんだと。

契約違反となれば報酬はおろか賠償請求も当然じゃないかと。

当然そういう契約形態もあるんですが
エージェントを経由して獲得する案件についてはその心配は無用です。

2種類の契約形態

フリーランスが結ぶ契約を一般的に業務委託契約といいますがこれには普通2種類あって請負契約準委任契約ってのがあります。準委任契約はSES契約(システムエンジニアリング契約)ともいいます(SES契約という言い方が一般的)

  • 業務委託契約
    • 請負契約
    • SES契約(準委任契約)

普通はSES契約

それぞれの契約を簡単に説明すると
請負契約成果物の納品が求められる契約です。例えば何があろうとシステムが完成しなければ報酬が受け取れませんよ、と。
納品したとしても不具合あれば修正する瑕疵担保責任もありますよ、と。

対してSES契約(準委任契約)は常駐して作業を行うことに対する契約です。システム完成しなかったとしても契約の時間分働いたら報酬もらいますよ、と。

成果物に対する責任も発生しませんよ、と。請負契約と違って作業さえしてれば仕事を完成させる義務はないと言っています。

成果物に対する契約じゃないんですね。

SES契約には月の稼働時間に関する契約事項はあります。
例えば下限は月140時間で上限は180時間としてそれを超えたら1時間ごとにいくら追加します、1時間足らなかったらいくら減額します、みたいな。
準委任契約の成果物は締めにエージェントに提出する作業報告書といえます。)

これでわかるように請負契約は責任とリスクをより伴う契約です。契約と聞くと普通想像するのは請負契約のほうではないでしょうか。

ですが普通フリーランスが結ぶ契約はリスクの高い請負契約ではなくリスクの低いSES契約(準委任契約)となります。

特にエージェントを利用して獲得した案件はほぼSES契約のはずです。

会社員として常駐案件をやっていた人であれば変わりないかと。

私もこれまでの案件すべてそうです。

まあ依頼するほうもよほど信頼ないと請負契約出せないんじゃないでしょうか。請負契約は報告義務もないので納期まで何やってるかわからないし、当然単価も高くしないといけないしで。

ただ共通しているのは発注者の会社が常駐先だとしても、発注者側に作業指示をする指揮命令権が無いことです。

いずれにせよ業務委託する側と契約を結ぶのですが、フリーランスに業務委託しているのはエージェントでしょうか?案件の発注者でしょうか?

フリーランスはどっちと契約を結ぶことになるのでしょうか?

SES契約は誰と結ぶ?

パターン1:フリーランスがエージェントと業務委託契約を結ぶ

エージェントと業務委託契約を結ぶ

案件が決まったら案件ごとに契約を結ぶわけですがその前にエージェントに登録して参画する案件が初めて決まった場合、エージェントと一度「業務委託基本契約」を結びます。

これはこれから継続的に生じる個別契約に関する共通する基本的な取り決めに関する契約です。

私が契約した過去の契約では契約期間は1年で、双方何も言わなければ自動延長される旨が記載されています。

さらに個別の案件に関してはエージェントから注文書が来て都度都度エージェントと契約を結びます。

取引先との契約はエージェントが結ぶ

実際の案件の発注者(取引先)との契約はフリーランスではなくエージェントがすることになります。

つまりフリーランスと発注者である企業とは直接契約はしないのです。

契約イメージ

発注者から見れば委託先はエージェント、フリーランスは再委託先となります。

パターン2:フリーランスが発注先と業務委託契約を結ぶ

今ほとんどのエージェントはパターン1だと思いますが以下の図のように
案件の紹介はするが実際の契約は発注先としてもらう、というエージェントもあるかもしれません。昔の首都圏コンピュータ協同組合はこっちのパターンじゃなかったかな。



もちろんエージェントに頼らず自分で探した案件であれば自分が発注者と直接契約することになります。

まとめ

フリーランスがする契約は普通は仕事に完成責任を伴わないリスクの低いSES契約だと書きました。

ですが当然ですが実際契約する際はどっちの契約になっているかは確認したほうがいいでしょう。

契約書読んでも難しいのでエージェントの担当者に聞くのが早いかもしれません。

もっとも私自身は過去請負契約か準委任契約かどうかでトラブルになったことは一度もありませんし周りでも聞いたことはありません。

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