フリーランスが報酬の中から納付するものとして所得税、住民税、国民健康保険、国民年金がありますがこのうち所得税と住民税についてどれくらいの額になって払い方はどうするのかもう少し詳しく書きたいと思います。
所得税
所得とは?
例えば月60万円の契約で1月から12月まで1年働いた場合年収は720万円となりますが
この金額は所得ではありません。
所得とはこの720万円から交通費など経費を引いたものになります。つまり利益といえます。
(もっともこの利益からさらに税金が引かれるので純利益とはいえない)
では所得税とはこの収入から経費を引いたものに対してかかる税金かというまたちょっと違って、さらにこの所得から各種控除が引かれたものが課税対象、つまり課税所得となります。
この各種控除にはどんなものがあるかというと、社会保険料控除、扶養控除、基礎控除などがあります。(参照)
国民年金なんかは社会保険料控除扱いとなります。
まとめると
所得 = 収入 – 経費
課税所得 = 所得 – 各種控除(所得から差し引かれるもの)
つまり収入が多くても経費と各種控除も多ければ課税所得は少なくなり払う所得税は少なくて済むことになります。
所得税率
上記で算出された課税所得の額によって所得税率は以下の表のように決まっています。
課税所得が多いほど税率が高くなります。累進課税ってやつですね。
※ちなみにこの表の控除額はおまけではありません(後述)
というわけで所得税はあくまで課税所得に対してかかるもので年収に対してではありません。
上の例でいうと年収720万円だとしても税率は23%となるわけじゃないってことですね。
課税所得がいくらになるかは収入に対して経費と各種控除がいくらになるか次第というわけです。
課税所得に丸々適用税率かけるわけではない
ちなみに課税所得が500万円だった場合、税率は上の表を参照すると20%になるので
500万 x 20% = 100万円
さらに控除額の427500円引いて57万2500円となります。
427500円もおまけしてくれんのかーって思ったかもしれませんが
実際の算出方法は
500万円のうち195万円までは上の表のとおり5%、330万円までの135万円分は10%、残りの170万円分について20%が適用されます。
なので算出方法は
195万 x 5% + 135万 x 10% + 170万 x 20% = 9万7500円 + 10万5000円 + 34万円 = 57万2500円
となり、
500万 x 20% = 100万円から控除額427500円を引いた57万2500円と一致します。
上の表の控除額はおまけでなく単に計算しやすくするための値です。
所得税は確定申告で払う
この所得税は会社員のように毎月天引きされて払うものでなく毎年2月~3月にかけての確定申告期間中に確定申告をして納税することになります。
じゃあ一回でまとめて払うの?ってことですが基本はそうなんですが
前年の確定申告の納付額によっては予定納税という形で7月と11月に納付しなければいけないことがあります。
なので予定納税があった年は予定納税の2回と確定申告の計3回に分けて納付することになります。
あくまで予定納税なのでその年確定した所得税より予定納税ですでに払いすぎてしまっていた場合は逆に確定申告で還付金を受けることができます。
住民税
税率
住民税は所得および住民税ってぐらいなので居住地によって税率が違います。
計算方法も難しいのでざっくり課税所得の10%くらいと覚えておくといいらしいです。
住民税の払い方
住民税は6月上旬に納付書が郵送されてきます。
課税所得が住民税の根拠になっているので確定申告の後に来るわけですね。
納付書は年4回分(6月、8月、10月、翌年の1月)あってそれぞれの納付期限までに払う、という形になります。
4回分なので住民税を4等分した金額を1年かけて払うということになります。
もちろん一括払いもできます。
滞納すると督促状つきの納付書が送付されてきます・・・。この納付期限も過ぎると延滞金も発生するようです。
各納付時期まとめ
下の表はフリーランスが納付すべきもの4つの時期、期限をまとめたものです。
所得税 | 住民税 | 国民年金 | 国民健康保険 | |
4月 | ○ | |||
5月 | ○ | |||
6月 | ○ | ○ | ○ | |
7月 | △ | ○ | ○ | |
8月 | ○ | ○ | ○ | |
9月 | ○ | ○ | ||
10月 | ○ | ○ | ||
11月 | △ | ○ | ○ | ○ |
12月 | ○ | ○ | ||
1月 | ○ | ○ | ○ | |
2月 | ○ | ○ | ○ | |
3月 | ○ | ○ |